2008年07月15日
アンセルメのラヴェル・オペラ「子供と魔法」「スペインの時」
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エルネスト・アンセルメは優れた才能と精緻な美的感覚をラヴェルの音楽において最高度に発揮した指揮者であった。
才人ラヴェルの感受性豊かで高度に洗練された童話風な幻想的オペラ・バレエ「子供と魔法」の録音はその結晶ともいうべき名盤。
ラヴェルの精緻な音楽と感覚を、これ以上考えられないほどデリケートで、しかも正確なタッチで完璧に描きつくしている。
当時のフランスにおける粒選りの歌手たちを揃え、ナイーヴな夢と憧れを秘め、ウィットに富み、多彩な音色とセンシティヴな音響効果に満ちた楽しいメルヘンを、アンセルメはデリケートに絶妙なタッチで美しく変幻自在に描き上げている。
歌手たちの中では、お姫さまとリスを歌うダンコ、羊飼いの少女と雌猫とこうもりを歌うトゥレーヌ、ティー・ポットと小人の老人と雨蛙を歌うクエノーが、特に優れている。
アンセルメのラヴェルの中でも特に優れた名演だ。
「スペインの時」におけるアンセルメの指揮は、リズムの感覚の鋭さと洗練された音色への卓越した敏感さがそのままラヴェルの音楽のドラマとなって表れている。
歌手陣もよく歌っており、特にレーラスの男らしい歌い方が印象的である。
このディスクは1953、54年の録音だが、信じられないくらい音の状態もよく、ラヴェルの精妙な音楽と舞台的な効果が十分に楽しめる。
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