2008年07月17日
リヒテル&カラヤンのチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
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独奏者リヒテル、指揮者カラヤン、ともにチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の録音を複数回行っているが、両者が共演した本盤の演奏内容が最も興味深い。
まず、ここでは指揮者カラヤンの音楽づくりが、常日頃とは若干様相を異にしている点に注目したいと思う。
周知のように、カラヤンは極めて多くのディスク類を作っており、その大部分はいわゆる「カラヤン節」というか流麗な音楽の流れを最大限に磨き上げ、ドラマティックな要素からデリケートな要素に至るまで、余裕を持って豪華に描き出そうとしているのだが、それがここではやや違っている。
ウィーン交響楽団を指揮したこの演奏では、常日頃よりはずっと前のめりになって曲に向かっている。
華やかなダンディズムといった趣きがある彼としては珍しく、オーケストラに対して力みを感じさせるような傾向があり、目を閉じて颯爽とした指揮ぶりで全体を仕上げる彼が、ここでは終了後、かりに汗を拭ったとしても不思議でも何でもない、という感じだ。
カラヤンの演奏には「汗の跡」のようなものがないから好き、というファンには不本意かもしれないが、こうした彼の姿もときにはスリリングで興味深い。
改めて指摘するまでもなく、それもこれも独奏者リヒテルの強靭で奔放なピアノに、カラヤンが強烈なライヴァル心を燃やした結果、生じたものなのである。
実力、個性ともに秀でた両者の丁々発止とやりあう関係が、なんとも面白い。
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コメント一覧
1. Posted by gkrsnama 2009年12月03日 01:05
リヒテルのこの曲ではムラヴィンスキーとやった方がはるかにいいと思う。指揮者ともども鋼のような音楽。カラヤンとやった方は中庸というか甘い。
世評ではアンチェルのが最上とよく聞くけれど。
世評ではアンチェルのが最上とよく聞くけれど。
2. Posted by 和田 2009年12月03日 14:38
それと同時にラフマニノフはザンデルリンクとの録音の方が凄みがあります。