2008年07月23日

マーラーの音楽の表現するもの


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マーラーが登場した19世紀後半の音楽史は、ワーグナーの「総合芸術」すなわち劇と音楽を一体に結びつけた「楽劇」が絶大な旋風を巻き起こし、一方純粋器楽を代表する交響曲においては、ブラームスとブルックナーがそれぞれのやり方で交響曲に新たな可能性を切り開いた。

当時ウィーンでワーグナー対ブラームスという美学論争が起こったが、マーラーはこの相反する芸術理念を交響曲という枠組みの中で止揚し総合して、ロマン派交響曲を最終的な到達点まで推し進めた。

「私にとって交響曲を作曲することは、あらゆる可能な技術的手段を用いて、すべてを包含する一つの世界を打ち立てることを意味する。」

ここでマーラーが言う「世界」とは、当然のことながら旧来の方法論だけで表現するのは困難で、マーラーはさまざまなレトリックを駆使して作曲に挑んだ。

一つの交響曲の中に聖なるものと俗悪なもの、素朴なものと精巧なもの、悲劇的なものとグロテスクなものなど、矛盾し対立する要素が同居しているのは、すべてを内包すべく奮闘した結果なのである。

またマーラーの音楽にはユダヤ人という出自と、不幸な生活環境に由来する厭世思想と死生観が一貫している。

彼の創作活動はまさに人間苦の苦悶そのもの、より高い精神に向かって昇る道程であり、享楽的な側面は微塵もなかった。

ドイツの思想家アドルノが、マーラーを「ベートーヴェン以来、最も形而上学的な作曲家」と位置付けたゆえんである。

以上のようにマーラーの芸術は理解されるまでに長い時間を要したが、作曲技法的にも20世紀音楽に大きな影響を及ぼし、19世紀末の音楽史で非常に意義深い役割を果たした。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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