2008年07月25日
セゴビアの芸術
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94歳で長逝する3か月前まで、アメリカに演奏旅行をしていたアンドレアス・セゴビア(1893-1987)は、多くの意味から、ギターの世界に出現していた文字通りの巨匠であった。
しかも彼の場合、己の愛する楽器の地歩を独力で大きく引き上げたという、まさしく歴史的な貢献がクローズアップされずにはいかない。
20世紀、クラシック・ギターが"ルネッサンス"を迎え、世界中の名のある作曲家がギターに目を向け、各音楽大学にギター科が設置され、多くのすぐれたギタリストかつ音楽家たちがひしめくようになったのも、セゴビアのおよそ80年間にもわたる技量と、真心を尽くしての活動抜きには、決して考えられないのである。
いま、純粋に演奏家としてのみ彼を見れば、そのスタイルはあまりにもロマンティック、ときには主情的な表情づけの濃厚さが耳につくかもしれない。
とりわけバッハ作品、ソルなどの古典曲に関してはそうであろう。
しかし、いかなる場合にも、そこに巨匠ならではの深々として艶やかな"音"の魅力、どこまでも人間的な自然の感興から発するゆえにかけがいがないと思わせた"歌"の魅力が存在したこともまた疑いない。
ギター音楽古典派、ロマン派両巨匠の美しい小品を収めたこのディスクはその代表盤といえる。
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