2008年07月27日
ヨッフムのオルフ:カルミナ・ブラーナ
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ロック・ファンにも愛好者の多い「カルミナ・ブラーナ」は、大オーケストラとコーラスが生み出すシンプルで圧倒的なビートの洪水が魅力の現代曲屈指の名曲。
若手指揮者が新しいオーケストラとやった新録音の方が分がよさそうに思えるが、意外にも硬派の古典指揮者ヨッフムが名門ベルリン・ドイツ・オペラを率いてのこの1枚が最高の出来だ。
ヨッフム盤は従来のスタイルだが、オルフは案外この当たりの線を描いて作曲したのではないかと思える要所を心得た表現を聴くことができ、スタンダードというに相応しい内容を持っている。
また、ソリストも非常に質が高い。
ヤノヴィッツ、シュトルツェ、フィッシャー=ディースカウという名歌手をソリストに迎えて、独唱曲の部分が絶品なのも勝因だが、オーケストラの豪快かつ重厚な鳴り具合もさすが本場の威力。
1967年録音とはいえ、本場のオルフという感じはまだ薄れていない。
今回のオリジナルスのCD化によって音質も向上し、ヨッフムの一徹な心情が青春の回顧とともに生々しく再生されていく。
この曲には、より華麗で圧倒的な、興奮を誘う演奏が他にもあるが、その中でこのヨッフム盤はいつまでも"なつかしさ"を失わない。
官能性の上で多少物足りない所があるとしても、正統派の強味は不変である。
ちなみにオルフはこの曲の成功の勢いで「カトゥリ・カルミナ」という続編も書いているが、こちらは今いちの出来。
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