2008年07月29日
クレンペラーのバッハ:ミサ曲ロ短調
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クレンペラーの同曲唯一の録音。
いかにも悠揚迫らぬ骨格の太いバッハである。
クレンペラーの音楽の包容力の豊かさが各章に感じられ、その重量感はまさしく巨大な巨造建築を仰ぎみているようだし、バッハへの畏敬の念に満ちている。
まさに1960年代を代表するバッハの演奏様式というべきだろう。
このバッハはなによりも<人間の存在>が前面に押し出されてくる。
その人間は、神と対立するものではなく、神と共にある人間の大きさである。
はげしい人生を戦い抜いてきたクレンペラーの心境かもしれない。
この「ロ短調ミサ」において、彼の雄大な音の流れが聴く者をとらえてしまうのである。
独唱者たちもクレンペラーの意図を体現した隙のない好演で、合唱団の歌い込みも充分の手応えがある。
この演奏を聴くと、クレンペラーは病魔によって一時的に引退を余儀なくされた時間にも、彼は常に何かを身につけていたことが想定される。
そして、不死鳥のごとく復活した第2次大戦後には、まさに巨匠の道を歩いたのであった。
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