2008年08月01日
ロンドン中世アンサンブルのデュファイ/世俗音楽集
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全94曲の全集として発売されていた名盤からの抜粋だが、よほどの古楽愛好家でなければ、それだけの曲数を聴く機会がないと思われるだけに、この抜粋盤の出現は喜ばしい。
中世の秋を印象づける最大の音楽が、ロンドン中世アンサンブルの卓越した演奏で耳にすることができるからだ。
全音楽史を通してデュファイは、モンテヴェルディ、バッハたちと並ぶ、類いまれな巨人的存在である。
その作品は当時のすべてのジャンルに及び、ミサ曲、モテトゥス、世俗シャンソンなど、それぞれが規模も大きく訴えも深い。
ここにあげたディスクは、既存するデュファイの世俗音楽作品の代表的なものが収録されている。
演奏も出色もので、バリトンのヒリアー、ジョージらの名歌手が、初期ルネサンスの恋の歌を切々と歌いあげている。
見事に芸術的に練磨され、中庸を得た演奏である。
ある種の遊びの要素を秘めて、古風に洗練された宮廷的な愛の歌が延々と続くが、少しも飽きを感じさせない。
適度なヴァラエティがあり、卓越した演奏によって各曲が現代に甦り、"中世の秋"の作曲家デュファイの抒情感を聴き手に伝えてくれる。
ホイジンガーの『中世の秋』の世界がそのまま音になって再現されたと思われる、名曲の名演奏である。
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