2008年08月02日
ジュリーニの「フィガロ」
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モーツァルトのオペラの中でも「フィガロの結婚」には特に魅力的な演奏が多いように思う。
そのなかでもステレオ初期のE.クライバー盤をはじめ、1960年代のベームと1970年代のカラヤン盤、1980年代のムーティに1990年代のアバド盤などは、どれも特徴的なすぐれた演奏だが、ジュリーニ盤はキャストが素晴らしく、それを統率している指揮も非常に見事である。
ジュリーニがほぼ同時期に録音した「ドン・ジョヴァンニ」にも参加しているヴェヒターとシュヴァルツコップの伯爵夫妻の他、フィガロのタデイ、スザンナのモッフォ、ケルビーノのコッソット、アントニオに起用された若き日のカプッチッリなど、ウィーンとイタリアの歌手を中心にした贅沢なキャストは、それぞれが理想的な適役といってよいだろう。
オペラ歌手として最盛期を迎えていたシュヴァルツコップの伯爵夫人と瑞々しい新鮮なモッフォのスザンナ、ヴェヒターの伯爵と名ブッフォを強く印象づけたタデイのフィガロの声の対比と性格表現などもまったく申し分なく、24歳のコッソットのケルビーノもとてもチャーミングである。
しかし、この演奏の最大の魅力は、ジュリーニがウィーン風の優雅さや陰影、ブッファ特有の愉悦感などをひきしまった流麗なテンポでバランスよく表現していることで、この「たわけた1日」を生き生きと描いた傑作オペラの永遠のスタンダードともいえる名演である。
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