2008年08月06日
ケーゲルのノーノ:作品集
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
名曲である。ノーノ屈指の傑作にもかかわらず、現在の評価は芳しくない。
この演奏にしてもしかり。ケーゲルという凄腕の指揮者がかつて存在したことさえ、今は忘れられつつある。しからば、あえてこの演奏を後世に伝えなければならぬ。
「力と光の波のように」は常にポリティカルな主張を内容とし、当時の前衛手法(クラスター及びテープ)を駆使した硬派なつくりである(ピアノとオーケストラにソプラノと電子音が加わる)。
すでにアバドとポリーニによる録音が存在したが、作曲家自身の強い要望により実現したいきさつがある。
ケーゲルのいささか表現主義的な彫りの深い表現と強い推進力を得て、きわめて表出性の高い音楽に練り上げている。
ノーノの作品は政治的な問題をテーマとしたものが多く、「墓碑銘」はスペイン内戦と関わっており、スペインの抵抗詩人ロルカの詩をテクストとしている。
また「力と光の波のように」は、チリの人民連合によるアジェンデ政権の誕生と関わっている。
政権はこの曲の完成した翌年に崩壊したが、これらの作品は、今日でも強い表出力をもって聴き手に迫ってくる。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。