2008年08月12日
鳥の歌〜カザルス/ホワイトハウス・コンサート
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1961年11月13日に故ケネディ大統領の招きでホワイト・ハウスの舞踏室イースト・ルームで行われたコンサートの録音である。
カザルスが頑張って演奏しているのがうかがえ、そしてどの曲も彼の音楽的発言力が支配している。
ではカザルス臭の強い音楽か、というとそうではなく、カザルスの解釈は作品の本質に足を据えた正統的なものだから、他の音楽家も納得するのだろう。
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲では、高度に緊密なアンサンブルが組まれているというわけではないが、燃えるような熱気が感じられる。
そしてカザルスが残した数多くの録音の中で、最も感動的なもの、と言えば、私はこの録音盤の「鳥の歌」を選ぶだろう。
カザルスは故郷のスペインがフランコ独裁政権に支配されてからは、二度と故郷の土を踏まず、フランコ政権を承認する国でも、演奏しようとはしなかった。
わずか3分半の演奏だが、望郷の思い、平和への祈りが、震えをおびる弓から、かすかなうめき声とともに立ちのぼる。
感動を越えて、何か神聖なものに触れる思いに胸を打たれる。
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