2008年08月13日
ハンプソン&バーンスタインのマーラー歌曲集
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「さすらう若人の歌」はバーンスタインの優しさにあふれた解釈が印象に残る。1音1音をいつくしむかのようなバーンスタインの表現が素晴らしいし、ハンプソンもそれにしなやかに寄り添い、優れた歌唱を行っている。
「亡き児をしのぶ歌」のバーンスタインは内的な充実のある表現で新鮮な感銘を受ける。ハンプソンも共感にあふれた歌いぶりだ。
「リュッケルトによる5つの詩」もハンプソンなりのスタイルで曲の深さを充分につかみ出している。
ハンプソンの歌は、一時代前のフィッシャー=ディースカウ型のマーラーを過去のものにしてしまった。
こまかい心理表現が、これを聴いたあとでは泥沼であったようにさえ感じられる。
その若々しい声を存分に生かし、ハンプソンは清潔に、まっすぐに歌う。
それが最も生きるのは、やっぱり「さすらう若人の歌」か。バーンスタインとウィーン・フィルが、その清潔でまっすぐな歌をいとおしむかのような軽やかさを維持して、さわやかな演奏をしている。
ここでマーラーは入り組んだ情緒の海に転落せず、かすかな悲しみをたたえながらも、素直で美しい航路をたどって進む。
「リュッケルトの詩による歌」も、実にまっすぐだ。
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