2008年08月14日
ヘッツェルを偲ぶ〜ウィーン室内合奏団のモーツァルト:ディヴェルティメント
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ヘッツェルが不慮の事故で亡くなる直前に、自ら主宰するグループの最もよい状態を記録しようと思ったことから録音されたものだが、まさにヘッツェル自身とこの団体の円熟した最高の状態が記録された名盤である。
ウィーン・フィルのコンサートマスターに就任した頃はいささか硬めの音だったヘッツェルが、この頃にはすっかりウィーンの音になり、彼の端正な音楽作りと高度の演奏技術とも相俟って、唯一無二の成果を生み出している。
素晴らしいテンポ感と決して崩れることのない安定した音楽作り、ヘッツェルの艶やかな音色、アンサンブルの温かく柔らかい響きなど、現代的な爽やかさとウィーン流儀が幸福な結びつきを果たした快演である。
ディヴェルティメント第17番は、作品のヴァイオリン協奏曲風な性格を思い切り前面に押し出した演奏である。
その分だけ室内楽的趣は弱められ、特に低弦部の扱いは完全にオーケストラのバス機能に徹している。
一方第1番は管楽器が多用されているだけに、テクスチュアが明確に浮き立つ面白さがあり、その分だけシンフォニックな効果を狙っているようだ。
同団体のモーツァルトは各社に録音も多いが、このディスクに収められている3曲は確か初録音である。
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