2008年08月15日
ビルスマのバッハ:無伴奏チェロ組曲(旧盤)
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1970年代頃以降オリジナル楽器の名手たちによって、いわゆるバロックの古典的名曲が次々に録音されるようになったが、それらの中にはその後の古楽演奏の発展に伴って、いささか古さを感じさせるものも少なくない。
しかし、この演奏はその完成度の高さからいって、今後もバロック・チェロによる同曲の録音のスタンダードであり続けるだろう。
ビルスマ49歳の録音だが、安定した技巧は円熟期にある音楽家の確かさを伝えている。
素朴であたたかみのある音色はユーモアあふれる人柄そのままだ。
語り口は饒舌だが押しつけがましくなく、自然で作為的なところがない。
解釈も充分に考え抜かれ、練り上げられている上に、自発性や即興性があるため、音楽の無限の多様性と可能性を提示する結果となっている。
ビルスマは後年再録音をしているが、ストラディヴァリウスを使った2度目の録音は、どちらかと言えばモダン楽器的なアプローチ。
繊細なアーティキュレーションによる語り口が生きた、バロック的な演奏といえば、やはりこの録音ということになる。
ビルスマのポートレートとしても聴き続けたいディスクだ。
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