2008年08月18日
クレンペラーのハイドン:交響曲集
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高雅で格調高く、しかも音楽を聴く楽しみを満喫させてくれるハイドンである。
第88番は旋律のひとつひとつが息づく魅惑的な表現で、終曲のテンポが実に効果的だ。
冒頭の序奏から主部への移行が絶妙な第98番、実にチャーミングな「時計」、作品の容姿を完全に把握した表現の第95番、そして素朴だが気品の高い「軍隊」など、感動的なほど美しい。
第104番も偉大な表現で、メヌエットには非常な精気がある。
ロビンズ・ランドンは第95番をあまり高く評価していない。
しかしそんなことはつゆ知らぬまま、初めて聴いた途端にその偉容に痺れてしまったのが、クレンペラーのこの演奏だった。
ザロモン・セット中唯一序奏を持たない第1楽章冒頭から、アポロ的殿堂が打ち立てられる。
第2楽章はエレガント。しかし媚態のかけらもない。簡潔さがこれほど深い味わいを持つ音楽、演奏も珍しい。
素晴らしく恰幅のいいメヌエットに続き、ハ長調に転じる終楽章は、あのジュピター交響曲と同様のカタルシスが待っている。
ここでのクレンペラーは"ヴィヴァーチェ"おかまいなしのスタティックな姿勢に徹し、格調を崩さない。
約半世紀たっても敬服に値する演奏だ。
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