2008年08月22日

ヴンダーリヒの芸術


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ヴンダーリヒの若さをすべて集めた、一大記念碑である。

この時代のドイツでは、まだイタリア歌劇はドイツ語で歌われることが多かったためか、アリアは原語ではないが、ヴンダーリヒの魅力はもう言葉では超えてしまっている。

艶やかな声、たっぷりとしたフレージング、下から上の声域まで1本でムラのない発声、そして明るい響きなど、これほどまでに輝かしく、生命の喜びを伝え切ったドイツのテノールは他にいない。

1966年、ヴンダーリヒがまだ36歳という若さで不慮の事故のために世を去ってしまったのは、あまりにも残念なことだった。

ドイツ系で彼に匹敵するテノールは、少なくとも彼の後には現れていないといっていいだろう。

ヴンダーリヒが録音した「美しき水車小屋の娘」や「詩人の恋」は、その清澄な美声といい、知と情のバランスのとれた解釈といい、まさに非の打ち所のない完璧な歌唱で、聴く度に感銘を新たにする。

モーツァルト・オペラでのタミーノやベルモンテが素晴らしいのはいうまでもないが、オペレッタやウィーナーリート、さらにはポピュラー・ソングといった軽いジャンルでの録音を数多く残してくれたのも、実に有り難かった。

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