2008年08月23日

セル/クリーヴランドの最後の境地〜ドヴォルザーク:交響曲第8番


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セルはしばしば厳格主義者といわれるように、その演奏は細部にまで徹底された室内楽のような精緻な響きと厳しい造形が特徴的であり、そのためにロマン派の音楽などでは、禁欲的ともいえるほど抑制された表現が物足りなく感じさせることもあったのだが、最晩年にはかなり変わり、表現もより開放的になってきた。

そうしたセルのいい意味での変化が最も端的に示されているのが、このドヴォルザークであり、精緻な構成に加え、従来より開放的な響きで旋律ものびやかに歌わせている。

そのために表情もしなやかになり、この交響曲にみなぎる民族色やロマン的な情感などもみずみずしさを増している。

第8番は、セル最晩年の晴朗な境地を表しており、以前の演奏よりスケールが大きい。

しかも自己主張を以前ほど抑制しなくなったためか、演奏に暖かさが加わっている。

ことに第3楽章の流麗な旋律の歌わせ方は実に素晴らしい。

もちろんクリーヴランド管弦楽団のアンサンブルは、この楽団の歴史上、最高水準にあるといってよく、実に感動的で音楽的な演奏だ。

2曲の「スラヴ舞曲」も、ゆとりと味わいを感じさせる佳演。

味わい豊かな格調高い名演といえよう。

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