2008年08月29日
クーベリックのドヴォルザーク:スラヴ舞曲集
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クーベリックは、スメタナの「わが祖国」全曲は、ライヴ録音も含めて実に6回録音しているが、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」は、このほかには1955年のウィーン・フィルとのモノーラル録音があるだけである。
しかし、それが決してこの民族舞曲集を軽く見ていたためではないことは、祖国に対するクーベリックの熱い思いがいきいきと格調高い表現をもって歌われた演奏を聴けば明らかだろう。
もっと民族色を強く打ち出した演奏も少なくないが、クーベリックは、作品たちが本来もっている生命力や民族的な味わいを、爽やかな集中力をもってのびやかに再現するとともに、音楽のすみずみなで、いかにも美しく洗練された表現を無理なく行きわたらせている。
これ以外はないと思われるように自然で、巧みな緩急の変化や、哀調美しい歌と溌剌としたリズムの弾みなど、まさにクーベリックならではのもので、何度聴いても感嘆させられるに違いない。
特に、作品46の第2番をはじめ、メランコリックで牧歌的な調べの味わいの深さは格別である。
そうしたクーベリックの指揮に、バイエルン放送交響楽団がまったく間然するところのない見事な演奏で応えており、温かく柔軟な響きと、いたずらに華美になりすぎることのない品格の良い色彩も、演奏にいっそう美しい味わいを添えている。
数ある「スラヴ舞曲集」のレコードの中でも、最も音楽的に洗練された名演というべきだろう。
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