2008年08月30日

ボールトのホルスト:惑星&エルガー:エニグマ変奏曲


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ボールトの『惑星』はいずれの録音も名演だが、この演奏はその最後を飾る彼の会心作である。

非公式の初演を振って以来『惑星』はボールトのトレードマーク的な曲だったが、最晩年に残したこの録音は、何の飾り気もなく音楽の深みを追求した演奏。

ド派手な演奏で録音の素晴らしさを売りものにする演奏とは対極的である。

本来この曲は「宇宙時代が云々」といったことではなしに星占いをヒントに創作されたものなので、各曲の性格分けが大きな演奏のポイントとなる。

ボールトは「余計なことは何もしない」ことで、曲の本質を曲自体に語らせているのが見事だ。

名優がその存在を忘れさせ、主人公になりきるのと同じことか。

「火星」や「木星」のダイナミックな表現もさることながら、しみじみとした情緒にあふれた「天王星」や、神秘的でデリケートな音色の美しい「海王星」が特に出色で、最晩年のボールトの老熟した味が光っている。

また遅めのテンポで音楽の量感を出している「土星」、自然なフレージングでよどみのない「金星」なども秀逸。

エルガーの『エニグマ変奏曲』は各変奏曲を巧みに描き分けつつも、エレガントさをいささかも失うことがない風格の豊かな音楽は、大指揮者ボールトだけに可能な至高の表現であり、同曲の演奏の理想像の具現化と言ってもいいのではないだろうか。

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classicalmusic at 05:43コメント(2)トラックバック(0)ホルスト | エルガー 

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コメント一覧

1. Posted by Lux   2008年08月31日 08:50
僕もこのボールト盤を愛聴しています。

なので、和田さんと意見が合わなくて残念です。この惑星は、他のどの惑星よりも表現が個性的であるように私には感じられます。初演者であるのに、この表現を追随する人がついぞ現れなかった孤高の惑星ではないでしょうか?

享楽的な響きの惑星に身をゆだねてしまった後にこのボールトを聴くと襟が正されます。こんなに内容のある曲だったんだなと。
2. Posted by 和田   2008年08月31日 14:07
「名優がその存在を忘れさせ、主人公になりきるのと同じことか。」の部分かな?
それって個性的なことだと思うんだけどなぁ。

本音をいえばカラヤン盤が一番好き。この作品を精神的に内側から見つめ直した新鮮な表現。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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