2008年09月03日
グールドのヒンデミット:ピアノ・ソナタ集
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歌曲集「マリアの生涯」のオリジナル版とこのソナタ集のグールドの演奏は、ヒンデミット再評価のきっかけを与えたといえよう。
特にこのソナタ集では、ヒンデミットのコンセプト、その観念に溌剌とした生命を吹き込むことによって、それまでのいわゆる新即物主義的とされた醒めた客観的解釈とは異なった世界を築いた。
ヒンデミットの曲は、丹念に、職人的完璧さで書かれた堅実一点張りの印象を受ける。
グールドは作品を実に忠実に、あるいは執拗に追いかけて飽きることがない。
そして多少古めかしいが、外観だけは堂々としている音の建築を作りあげてみせる。
グールドの力で、ともかくこの3曲のソナタはその本来の姿を現した。
例えば葬送行進曲の内省から、二重フーガによるエクスタシーの境地まで、はじめてヒンデミットの音楽のオリジナリティ、その魅力が明らかにされた。
ヴェーベルンと対照させたグールドのヒンデミット論も秀逸で、初版の価値を改訂版と比較して論じた「マリアの生涯」論とあわせて読むとグールドのヒンデミット観がよくわかる。
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コメント一覧
1. Posted by monochrome 2008年09月04日 21:03
トラバありがとうございます。
グールドのバッハの項、読ませていただきました。
僕も最初に買ったのは、偶然にですが81年盤でした....
今後とも宜しくお願いします。
グールドのバッハの項、読ませていただきました。
僕も最初に買ったのは、偶然にですが81年盤でした....
今後とも宜しくお願いします。
2. Posted by 和田 2008年09月04日 23:54
monochromeさんコメントありがとうございます。
ゴールドベルク変奏曲のことですね。これはどちらを先に聴いたかで、評価が分かれるんですよね。
またのご来訪お待ちしております。
ゴールドベルク変奏曲のことですね。これはどちらを先に聴いたかで、評価が分かれるんですよね。
またのご来訪お待ちしております。