2008年09月16日
トスカニーニ&NBC響のメンデルスゾーン「イタリア」「宗教改革」
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録音は古いが、モノーラル時代の屈指の名盤である。
トスカニーニはメンデルスゾーンで素晴らしい演奏を聴かせていたが、この「イタリア」はその最たるものである。
この曲の明澄爽快な気分を、これほどまでにストレートに表出した演奏というのも珍しい。
旋律の歌わせ方も巧妙だし、リズムも生き生きと踊っている。
灼熱する音と躍動する表情、輝かしい歌の美しさは、明るい南欧の風物に瞠目した作曲者の感動をそのまま伝えてくるようだ。
古典的形式をくっきりと保ちながら、優雅なリリシズムや、またスケルツォ的性格を、すっきりした線やリズムでなんの付加物もなく、すぱっと現わした行き方は、「イタリア」の特徴をすべて尽くしたものである。
一方「宗教改革」も圧倒的名演で、その明晰さ、しなやかな流動感、立体的な構築は、この作品の求めるすべてを具現している。
トスカニーニが、メンデルスゾーンの交響曲の中で、最も高く評価していたのがこの曲である。
それだけに、この曲の、ロマン派初期の若々しさにあふれた表情を美しく表現しており、構成もがっちりとしていて秀演だ。
荘重な趣きを力強く表現して、宗教的素材をもって壮麗な記念祭の歓喜を示した立派な演奏である。
それにしても、本盤のようなXRCDによる極上の高音質録音で聴くと、トスカニーニが臨機応変にテンポ設定を行ったり、豊かな情感にもいささかも不足をしていないことがよくわかる。
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