2008年09月23日
オイストラフ&クリュイタンスのベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
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ほとんどの名ヴァイオリニストがこの曲を一度または二度録音している。
そのため往年の大家による演奏記録が幾つもあるが、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の録音は、1958年の録音ながら今もってこのオイストラフ盤を推す。
1974年に66歳で亡くなったオイストラフの、心技ともに最も円熟し、最も脂の乗った時代の演奏で、おそらく彼自身も会心の作と思ったのではなかろうか。
スタイルとしてはやや古めかしさを感じさせるものの、これほど曲の内面を深く掘り下げた演奏というのも少ない。
一点一画もゆるがせにしない整然たる演奏で、それでいて音楽は暖かく、作曲者の肌のぬくもりといったものを感じさせる。
たっぷりとした音色を基盤に、健康的な明るさと甘美な歌にみちている。
線が太く、たくましく、旋律を朗々と歌わせている点も忘れ難い長所で、なつかしい魅惑とスケールの大きさによって、ひとつの規範的な演奏となった。
曲の抒情的な性格を、豊かな美音でスケール雄大に表現した名演中の名演として、録音後半世紀以上たっても燦然と輝いている。
オイストラフ唯一の共演となったクリュイタンスの格調高いバックも見事というほかはなく、すぐれた音楽性をもとに堂々と立派に振り切っている。
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