2008年09月22日
アーノンクール&ヨーロッパ室内管のモーツァルト:交響曲第38番〜41番
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モーツァルト没後200年記念特別演奏会でのライヴ録音。
なんとも個性的でスリリングな異色の演奏。
演奏のコンセプトは、バロックの後継者としてのモーツァルト像を19世紀的解釈を斥ける形で直接的に示そうとしたもので、楽譜も新モーツァルト全集によっている。
どの曲もアクセントのとり方、フレーズの表情など、オリジナル楽器的な奏法と音色で一貫させている。
アウフタクトを起点としたフレージングを確実に実行しながら、レガート、ノン・レガート、スタッカートなどの効果を自在に駆使する、当時最も先鋭的なバロック音楽の解釈がモーツァルトに適用されている。
テンポの設定やリズム処理も極めて独特のもので、すべてがアーノンクール調で一貫している。
彼の創意と着眼点の変更による問題提起は新鮮で、傾聴に値する。
アーノンクールのモーツァルト解釈は常に刺激的だが、この演奏は腕利き揃いの若い音楽家集団のヨーロッパ室内管との共同作業なので、さらにフレッシュな魅力が付け加えられている。
洗練された表現と快適な運動性が魅力的な「プラハ」と第39番、いたずらに悲愴美を強調しない古典的節度をもった第40番、堂に入った風格さえ感じさせる「ジュピター」など、いずれも個性的解釈に貫かれた秀演である。
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コメント一覧
1. Posted by 水口峰之 2009年08月02日 22:05

さて、アーノンクールという指揮者は僕にはいまだに入り込めない人です。この先生のやろうとしていること自体が「なんで?」「どうして?」という感じで理解できないことが多いです。こちらが不勉強なのか?それともこの先生自体が下手な田舎役者なのか?どうしても素直に受け入れられないのです。
今回の記事に関係あるのはk550で、第4楽章にむけて遅くなっていくという彼の持論を見事に再現している演奏です。でも何というか不器用な演奏に聞こえます。ピリオドアプローチならコープマンの方がよほどセンスもあり、私情漂うモーツァルトをやってのけます。しかも聞いていて発見の多い演奏です。同じk550でもメヌエットのセンスのよさといったら断然ですよ。アーノンクールはまじめに真摯にとり組んでいるのは解るのですが(そこが尊敬すべきところです)…。コープマンのモーツァルトをぜひ取り上げてくださいね。ちなみに「水上の音楽」も素敵ですよ。
2. Posted by 和田 2009年08月02日 23:56
コープマンのモーツァルトについては、別項で述べてますので、そちらをご覧いただければ幸いです。
アーノンクールの演奏が示す最大の特徴は、まったく美しくないことでしょう。
彼の奏でる音楽も問題ではありますが、存在自体に意味があるような演奏家なのだと思います。
ヨーロッパでは「最近最も息をのむ瞬間の多い指揮者」という賛辞もあります。
アーノンクールの演奏が示す最大の特徴は、まったく美しくないことでしょう。
彼の奏でる音楽も問題ではありますが、存在自体に意味があるような演奏家なのだと思います。
ヨーロッパでは「最近最も息をのむ瞬間の多い指揮者」という賛辞もあります。