2008年09月27日
マルティノン&フランス国立放送局管のドビュッシー:管弦楽作品全集
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フランスの指揮者とフランスのオーケストラがフランス音楽の最高のスペシャリストとして機能していたころの良き時代の代表的名盤で、マルティノンの実力が最高度に発揮されている。
CD4枚で「牧神」や「夜想曲」などの名曲からカプレ編の「おもちゃ箱」までドビュッシーのオーケストラ作品のほとんどが聴ける。
自身も作曲家であるマルティノンの指揮は、ドイツ的論理とは違ったところにあるフランス的知性の明晰さを見事にドビュッシーに開花させた名演で、知的な品のよさとラテン的な色彩美をほどよく調和しているのが特色だ。
曖昧なサウンドに流されず知性で構築した音楽を感じさせつつ、同時にきわめて色彩的で繊細な感性を堪能させる、という奇跡のような音楽の冴えは、今聴いても現役盤を寄せ付けない魅力を発散している。
「海」の弦と管との音の綾織りの美しさ、「牧神」の幻想的で詩情豊かな表現、「映像」でのデリケートな音の作り方など、細部まで神経のよく行き届いた、いかにもこの人らしい品格のある演奏である。
特に「おもちゃ箱」が素晴らしく、巧みな棒で曲のもつ童話的な雰囲気をあますところなく表出している。
いずれの作品も、マルティノンならではの香り高い表現となっている。
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