2008年09月28日
ホロヴィッツ&トスカニーニのブラームス/チャイコフスキー:ピアノ協奏曲
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ホロヴィッツは非常に速いテンポでさっそうと弾きまくっている。力強く、逞しく、技巧の冴えは驚くべきものだ。
第三者的に聴くならば、およそブラームスらしくない豪快な演奏で、ホロヴィッツの全盛時代(1940年にホロヴィッツは36歳)の正確無比でピアノを華麗に鳴らしての演奏は、それだけで耳を楽しませてくれるが、さらにトスカニーニの指揮がこの作品のロマン性を表面に出して、しかもオーケストラを強烈に響かせる。
ブラームスの渋さなどは飛び散って、ともかく面白い演奏だ。
じっくりと聴きたいならばやはりR・ゼルキンあたりが妥当だろうが、20世紀の代表的巨匠2人が組んだ録音として、このホロヴィッツ=トスカニーニ盤は次世代でも聴かれよう。
チャイコフスキーは同曲のベスト・ワンといってよい演奏。トスカニーニは絶好調で、ホロヴィッツも脂が乗り切っている。
鋼のように力のあるタッチとリズム、腕が鳴るような技巧の冴えが人間業を超え、終楽章のコーダに至っては超人の凄まじさを見せる。
ホロヴィッツとトスカニーニという芸術家が一歩も譲ることなく拮抗し、己れの主張を行う様はまさに凄絶という他はない。
両者の対決は汗を握るばかりだが、聞こえてくる音楽はチャイコフスキーそのものである。
この曲を語る上で決して忘れることのできない1枚だ。
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