2008年09月29日
ブーレーズのベルク:「ルル」
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周知のように当オペラは2幕のみの未完の作品だが、これはウィーンの作曲家ツェルハによる完成形3幕版での唯一の録音である。
1979年にブーレーズ指揮、シェロー演出でパリ・オペラ座で初演され、大評判となった。これはその同一キャストによる録音である。
ブーレーズの一分の隙もない統率のもとで、オーケストラもすべての歌手達も見事なアンサンブルを聴かせている。
しかも、彼の指揮は単に精確なきびしさだけに留まらず、舞台上のドラマとしての起伏や多彩な効果の点で、一段と豊かな表現を示すようになった。
また、パリ・オペラ座のオーケストラのもつ透明でデリケートな音色感の多様さが、ベルクの音楽の精妙なディティールをよりいっそう明瞭に語り出している点も、特徴のひとつである。
このまがまがしくも魅力的なオペラの音楽を素晴らしく雄弁に演奏していて見事だ。
ルル役のストラータス、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢役のミントンをはじめとする歌手たちの気迫がものすごい。
そしてなにより、ベルクの音楽が持つ異様な力に圧倒される。
現代ものを難しいと敬遠している向きにもお薦めしたいディスクだ。
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