2008年09月29日
ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンのR.シュトラウス:管弦楽作品集
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ブロムシュテット初のR.シュトラウスである「英雄の生涯」は、実に見事なR.シュトラウスの音の世界を作りあげている。
そのよく彫琢されたまろやかな響きは、まことに素晴らしい。
最もよい例が「英雄の敵」で、細部にまで神経を行き届かせながら、緻密に音楽を組み立てている。
特に感銘を受けた「英雄の伴侶」では、ミリングのヴァイオリン・ソロがよいムードを作り出していた。
指揮者と楽員の精神的一致が見事に開花した、快演といってよかろう。
「ツァラトゥストラ」はブロムシュテットの音楽的な成熟を感じさせる。
全体にテンポを遅めにとり、じっくりと腰を割り、1音1音かみしめるよう丹念に仕上げている。
またシュターツカペレ・ドレスデンも、まさにいぶし銀の音のすばらしさをきかせる。
「ドン・ファン」も冒頭のホルンから聴き手をひきつけ、旋律を十全に歌わせながら、しだいに興奮をかきたてていく語り口のうまさには感嘆させられる。
「メタモルフォーゼン」はややゆっくりとしたテンポで丹念に練り上げており、ブロムシュテットの表現力の豊かさもさることながら、このオケの重厚な響きに魅了される。
「死と変容」はひとつひとつの音を大切にしながら、生と死のはざまにある人間の心情を克明に描出している。
「ティル」は各場面を精緻に描出しているがあまりにも慎重になりすぎてか、多少生気に欠けるのが惜しい。
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