2008年10月12日
バルビローリのエルガー:エニグマ変奏曲
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「エニグマ」の14の変奏の謎解きは、作曲者の生前に完了し、エルガー自身の公認を得ているので、聴き手としてはプログラム(標題)を充分ふまえた上で聴かれることをお勧めしたい。
イギリスの音楽ファンは各変奏にまつわる謎解きを頭に入れているので、指揮者としてもアブストラクトに振る人はまずいない。
エルガーの管弦楽書法のうま味と標題が渾然一体となっている模範的名演がバルビローリ盤。
自国の音楽だけあって、バルビローリもオーケストラも自信と誇りをもって演奏している。
前身がチェリストであったバルビローリはヴァイオリンおよびヴィオラが自前の楽器だったエルガーの微妙な弦楽書法を心憎いまでに見事に表出していて余すところがない。
描かれている14人の人物の肖像が生きてくるのである。
劇性もあり、またふくよかで親しみやすい表情に満ちているのが味わい深い。
ただ、フィナーレの盛り上がりという点で、やや征服感に不足する部分があるのが残念だ。
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