2008年10月14日
マイスキー&バーンスタインのドヴォルザーク/シューマン:チェロ協奏曲
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シューマンの方を一層高く評価したい。ウィーンのムジークフェライン・ザールでのライヴ録音で、すこぶる気迫と熱気にみちた演奏だ。
この曲は、シューマンが精神病で亡くなる3年前の作品だけに、暗く絶望的なかげりをもっているが、そうした内容を実に見事に引き出した演奏である。
マイスキーは作品を完全に集中に収め、自由な流れをもって息づくように歌わせており、晩年のシューマンの心情をよく描き出している。
また、剛直でシンフォニックな力感にあふれているのが特徴となっている。
バーンスタインも、華やかな音楽のなかにひそむ、一抹の憂愁を、絶妙な棒で表出している。
ドヴォルザークは冒頭からテンポが異常に遅い。バーンスタインの感情移入の激しさは表情を濃厚にし、スケールが大きく重量感のある演奏に結実した。
マイスキーもバーンスタインに触発されてか、いつもより感情移入が激しいがナーヴァスにはならず、むしろ感情を深く沈潜させており、濃厚な陰影を宿している。
マイスキーはヴィブラートの充分かかった艶のある音と豊かな表現で演奏しており、音色と表情の変化も説得力に富んでいる。
その語り口は粘液質だが、表現しているところは充分に深い。
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