2008年10月15日

白井光子のシューマン:歌曲集「女の愛と生涯」


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実のところを言うと、シューマンの歌曲集のうちで「女の愛と生涯」は私がちょっと苦手としているものである。

「愛と生涯」とは言うが、その推移や進行があまりにも速く、また人生を区切る出来事がパターン化しているように感じられてならないからである。

熱狂的な愛(第3曲)や婚礼に弾む心(第5曲)を高らかに歌い過ぎると、わずかそこから3曲あとの夫の死の悲痛さが、あまりにも唐突なものに聞こえてしまう。

だから私には、各曲に思いを込めすぎずにその凹凸をなだらかに歌いながら、心の奥の情感を適切に表現した歌が好ましく感じられる。

しっとりと落ち着いた歌での白井の歌は、その方向で私を満足させてくれる。

日本人のドイツ・リート歌手として、白井はドイツ人以上の深い内容を歌い出し得る人だ。

また日本人独特のこまやかな感覚で受けとめられたシューマンは、それまでのヨーロッパになかった"うたのいのち"を語り出したのである。

若い女性が主人公だとはいえ、深い悲しみを体験したひとの想いが曲の初めへと廻る様子が素敵だ。

「女の愛と生涯」「リーダークライス」において、白井はシューマネスクな世界を十全に展開し、シューマンゆかりのツヴィカウ市よりロベルト・シューマン賞を受けるだけの実力のほどを示している。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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