2008年10月17日
アーノンクールのヘンデル:合奏協奏曲作品3,6
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実に個性的で劇的な起伏にとんだアーノンクール盤は、最初の1曲を聴き始めたら、予期できない表現の多様、多彩さへの興味に引きづられて作品6の全12曲を立て続けに聴き通したくなる活力にとんでいる。
第10番や第12番の第1楽章のスタッカートなど凄まじいばかりだ。
その意志的な解釈は多少強引に聴き手を引き回す面もあり、よく言われる「大らかでのびやかなヘンデル像」とは異なったものだが、強靭な説得力には抵抗できない魅力がある。
コンチェルティーノ(独奏群)をややエコー気味に扱ってリピエーノと対照させた効果も興味深い。
バロック芸術の本質にある絶えざる変化、力動性、対照、遠近感、といった要素を、アーノンクールが現代化してみせる。
この演奏にみられる演技性を、正面からとらえてみなければ、バロック理解は表層的なものになるであろう。
作品3でも、かなり大胆な発想が随所に見られ、大らかで楽天的なヘンデル像とは一歩違った別の顔を見せてくれる。
バッハが多種多様の演奏形態に耐え得るように、ヘンデルもまた、こうした演奏を許容する大きさをもっているのだ。
アーノンクールの個性とアクの強さは、ここでは好ましい方向に出ていよう。
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