2008年10月19日
トスカニーニの「椿姫」(ゲネ・プロ)
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19歳で初めて「椿姫」を指揮したというトスカニーニが、プロフェッショナルとして最後に取り組んだ「椿姫」である。
音楽というのは、その曲についてであれ、演奏についてであれ、出会いのしかたで印象がかなり違ってしまう。
この「椿姫」など、トスカニーニも歌手もガチガチに硬くなってしまった本番の演奏(RCA盤)のゲネ・プロの演奏を聴けることは幸いであった。
軽やかさ、響きの立体感、躍動、いずれも本番には聴けないものだからである。
トスカニーニのリハーサルはその激怒ぶりだけが有名だが、演奏者たちにとって、しばしば本番以上の充実感を得られるものだったという。このゲネ・プロはまさにその実例。
ここには美しい歌声と涙を誘うストーリーとしう表層的な魅力ではなく、声と音楽そして劇的な力を調和させて、力強くドラマティックなオペラの真髄を求めるトスカニーニの、果敢な気迫がもたらす感動が溢れている。
自分が熱望する表現を求めて、彼は全曲を通じて自分自身も声を出して歌いづめで、その声は時にアリアを歌う歌手より大きく聴こえたりする。
ハーヴェイ・ザックスが「『椿姫』はトスカニーニにとって彼の時代のオペラであり、現代的な芝居だった」と言う通り、生きた血の通う刺激的な名演奏だ。
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