2008年10月23日
ケルテス&ウィーン・フィルの「新世界より」
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「新世界より」は若き日のケルテスが初めてウィーン・フィルを振った記念すべき録音。
まさに痛快といっていい演奏だ。
ヴェテラン揃いのオーケストラを自在にあやつり、みずみずしい感興を随所に発散している。
長らく「新世界より」の決定盤とされてきたものだが、改めて聴いても、申し分ない演奏だ。
録音は古くなったが、聴き返すたびに演出のうまさとそれを裏付けるロマンディックな詩情、またマジャールの血が騒ぐとでも言えそうな活気あふれるリズム感などに魅せられる。
後半の乗りに乗った音楽の流れとその勢いは、ちょっと比べるものがないほどだ。
ケルテスの指揮が素晴らしいのは、若々しい推進力を持ちながら、堂々とした大家の片鱗を見せているところである。
32歳の若さでウィーン・フィルをこれだけ御すのだから驚く。
オーケストラを目いっぱい鳴らしつつ、少しの粗さもなく、響きは豊かさの極みであり、旋律は心ゆくまで歌われ、曲想によるテンポの動きはずいぶん大きいのに自然さを失わない。
ウィーン・フィルも、心に絡みついてくるようなヴァイオリン、深々とした低弦、どんなフォルテでも耳に優しい金管群などをもって、若きケルテスの棒に見事に応えている。
ケルテスを語るときには忘れることができない1枚。
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