2008年10月23日
ゼルキンのベートーヴェン:ディアベッリの主題による33の変奏曲
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同曲は、変奏のフモールと奇怪さ、独自性と多様さはまさに変奏曲の最高峰といえるもので、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」とともに、古今の変奏曲の中の傑作といわれている。
ゼルキンは「ディアベッリ変奏曲」をアンコールで全曲演奏したというエピソードを持つが、レコードはこれが唯一のものである。
この大曲に真正面から対峙したゼルキンの激しい気迫をみなぎらせた演奏は、作品全体の構造も明確であり、各変奏の性格も鮮明に表現している。
半ば諧謔的な誇張を通して、生き生きとした表情をもって描かれているし、カリカチュアを思わせる威風堂々とした第1変奏に続いて、第2変奏でゼルキンは鍵盤上で軽やかなおしゃべりを楽しむ。
全てが現世的な生気にあふれていて、ダイナミックで溌剌としている。
モノ録音とはいえ、表面だけを飾ろうとせず、音楽の核心に迫ろうとする毅然とした姿勢が熱く伝わってくる演奏である。
こうした比較的遅めのテンポといささか直截的な表現は、当時(1957年)のゼルキンにしばしば見られるものだ。
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