2008年10月29日
ラサールSQを中心とするメンバーによる「浄められた夜」
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この作品にはそもそも、弦楽六重奏版と作曲者自身の改訂による弦楽合奏版があって、どちらかといえば、こまやかな内声の動きやモチーフの掛け合いがくっきりと浮かび上がる六重奏版の方がおもしろい。
この曲本来の音楽を最も精緻に美しく明らかにしているのは、オリジナルの弦楽六重奏版によるラサールSQ他の演奏というべきだろう。
濃密な陰影に満たされた「浄夜」だ。この作品のもつ後期ロマン主義の色濃い性格を見事に表出している。
ここには後期ロマン主義にふさわしい絶妙な色彩効果と蠱惑的な官能がある。その表現力は6人のアンサンブルとは思えないほどだ。
すみずみまで、まことにデリケートに透徹した表現を行き渡らせており、デーメルの詩がシェーンベルクの心にかき立てた世界を明晰に再構成して、しかもその雰囲気を見失っていない。
息苦しいほどの緊迫感から、この上なく慈愛に満ちた響きへ、そして陶酔感あふれる美しい瞬間の数々……、ラサールSQ他の弦楽六重奏の演奏は、濃厚なロマンティシズムに彩られた、このシェーンベルク初期の傑作を、実にドラマティックに聴かせてくれる。
テンポの自在な伸縮とやや強調されたニュアンス、そして艶のある響きがいい。
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