2008年11月02日
マゼール&ウィーン・フィルのドヴォルザーク:後期3大交響曲集
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「第7」はドヴォルザークの全交響曲の中でも、その恩師ブラームスの影響が最も大きく開花した傑作で、その後の「第8」「第9」に見られる民族的抒情性が抑制され、構築的な、よく書き込まれた作品となっている。
マゼール/ウィーン・フィル盤は、この曲のそうした側面を見事に引き出した名演。
特に第1楽章での、流麗なフレーズと、とつとつとしたブラームス的な後ろから押し上げる音型との対比は鮮やか。
中間楽章は、キメの細かな表情づけがウィーン・フィルののびやかな音色と相まって美しい。
そしてギクシャクした情熱を繰り返しぶつける終楽章まで、一貫してブラームスの「第3」を思わせるような濃厚な演奏に徹して成功している。
一見個性的だが、この曲の本質をよくとらえた名演だ。
マゼールはウィーン・フィルの美音を最大限尊重しつつ、知的な計算によってオーケストラをよく鳴らし、加えて起伏感もうまく表出している。
「新世界より」では、全体はさらりとした表情で速めのテンポで進行するが、勘所では実にニュアンス豊かに、気品高く音楽を歌わせ、リズムの抑揚の変化も自然で、いずれの面でも過不足がない。
マゼールならではの知・情・意のバランス良好な充実した演奏。
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