2008年11月03日
セル&クリーヴランド管のR.シュトラウス:家庭交響曲
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この交響曲の演奏はたいそう難しい。
可能な限り表情たっぷりと再現してしまうと、辟易としてしまうし、かといって、あまり深入りしないように距離を置いて再現されると、今度は物足りなくなってしまう。
そのあたりの兼ね合いといったものが、なんとも難しい。と同時にそれはR.シュトラウスという作曲家の作品全体を通じていえる難しさであると考えることもできよう。
というわけで、当然ながら、この交響曲のディスク選びも難しい。
カラヤン盤のようにオーソドックスなアプローチで、表情豊かにやりすぎてしまうと、この交響曲の「私小説」にもならないような私小説的要素をあまりに無批判に通してしまう結果になり、一方、フルトヴェングラー盤になると、そうした批判性はあるのだけれど、出来ることなら、もう少しよい音の状態で聴きたいと思ってしまう。
あれやこれやと考えていると、すべて一長一短で、なかなか決めにくいのだが、最も素直に聴くことができるという点ではセル盤が最右翼にくるだろう。
R.シュトラウス自身から直接教えを受けたこともあるセルは、この作曲家の他の演奏においてもすぐれた演奏を残している。
ここにおいても、セルがつくりあげた演奏は知・情・意のバランスがとれたものといえよう。
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