2008年11月06日
カラヤン&ベルリン・フィルのシューマン:交響曲全集
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カラヤンが残した唯一のシューマン/交響曲全集。
いずれもかなり外面的、機能主義的なコンセプトに基づいた演奏で、第1番はシューマン独自の陰影の濃い楽想がやや明快に整理されすぎた感がある。
第2番は4曲中最も優れた表現で、カラヤン風ではあるが作品の晦渋な内容を解きほぐしている。ことに第3楽章はカラヤン美学の極致だろう。
カラヤンは第1番、第2番などではかなり無理してまとめ挙げている部分があるように感じられるが、さすがに「ライン」交響曲あたりになると、カラヤンとベルリン・フィルのスケールと作品のスケールが合ってきて、立体感と風格のある優れた演奏になっている。
第3番は聴かせ上手という意味では申し分なく、第4番も個性的で徹底したカラヤン調でヴァイオリンの独奏も流麗この上ない。
第4楽章では独自のルバートを駆使しているが、耽美的といえるほど美しく、音楽的にも自然だ。
全体に真摯で重厚、最もシンフォニックな魅力に満ちた劇的な演奏で、一本筋の通ったドラマの確かな手応えがある。
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