2008年11月07日
ペライアのシューマン:幻想曲/シューベルト:さすらい人幻想曲
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シューマンは躁と鬱の気分の交錯する人だった。
躁ははつらつとして高揚する一方、破壊的、破滅的な衝動に突き進む気質であるが、鬱はやさしい夢想に耽る一方で、虚無と絶望に沈みやすい気質である。
「幻想曲ハ長調」はどちらかというと躁気質がまさっているが、鬱の翳りもきざし、そのモザイク状の気分のめくるめく交錯に響きの魅力がある。
それを踏まえた上で、曲全体のロマン的香りという点では、ペライアだろう。全体の流れが夢見るように美しく、全体にソツがなく過不足なくまとまっている。
ペライアの演奏はいつもながら、きわめてバランス感覚に優れている。
作品を客観的にながめる眼差しを持ちながら、ぴったりと作品に寄り添っている。
そして清潔な抒情性、これは彼のピアノの音の美しさも大いにかかわっている。
まったく隙のない構成を作りながら、豊かな息づきを持ち、決して押し付けがましくない自然な音楽の流れを生み出している。
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