2008年11月15日
ジュリアードSQのベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集(旧盤)
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現存する弦楽四重奏団で最も素晴らしいチームはどれか、と問われれば、私はためらうことなくジュリアード四重奏団の名をあげることになろう。
音楽創造の理念と水準は極めて高く、残念ながらあとのチームとは、桁が一桁違っているのである。
ジュリアード弦楽四重奏団全盛期のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は、1964年から70年までの長い期間に慎重に録音されている。
よく知られているように、ジュリアードはその初期には自分たちのアイデンティティを、現代や前衛の作品の怜悧な解釈に置いていた。
彼らはベートーヴェンの全曲録音にあたっても、現代・前衛作品を演奏するのと同様に、音楽の骨格や成り立ち、そして外観を厳しく彫琢することから始めた。
表現への意欲や情緒を先立てないこの厳格な取り組みだが、結果としてはそれが作曲者の意図をとてもわかり易い明晰なかたちで、聴き手に伝えられることにつながっている。
彼らの、演奏という名の創造行為には、高度の緊張と献身的な情熱がみなぎっているのだが、それこそは、ベートーヴェンのこうした大作を弾くのに最も適合した条件である。
余剰を排した潔く美しいベートーヴェンである。
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