2008年11月20日
マリナーのチャイコフスキー/ドヴォルザーク:弦楽セレナード
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
両曲とも、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの弦の美しさに惹かれる。
チャイコフスキーはマリナーとアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズのコンビが、デビュー当時から得意としていた作品だけあって、アンサンブルが緊密で、全体のまとまりのよい演奏となっている。
ことに、ロマン的色彩の濃い第1楽章と、ロシア舞曲を思わせるかのような第4楽章は、よく練り上げられており、また、弦楽器の響きの美しい音色には魅了されてしまう。
また、第2楽章「ワルツ」や第3楽章「エレジー」での旋律の歌わせ方や間のとり方、メリハリのきいた音楽の作り方にマリナーの良さが表れている。
マリナーは民族的な色調を強く打ち出すタイプの指揮者ではなく、ドヴォルザークの演奏でも、全体にさらりと流した表現である。
第1,3楽章など、かなりよくまとめてはいるのだが、欲をいえばさらにスラヴ的な情感がほしかった。
しかし、曲の陰影を精緻に表出した第2楽章のドヴォルザーク節の歌わせ方や、第4楽章の哀愁をおびた主題のあらわし方など、実によく練り上げられていて、うっとりと聴き惚れてしまう。
やや郷土色には乏しいが、生気の躍動するフィナーレなど、この団体の実力を遺憾なく発揮した好演だ。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。