2008年11月23日
レオンハルトのバッハ:ゴルトベルク変奏曲
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いうまでもなく、レオンハルト(1928〜)はモダン・チェンバロ全盛の時代にあって、歴史楽器の魅力の普及に努めてきた第一人者である。
その徹底した時代考証に裏づけられた解釈と洗練された音楽的趣味ゆえに、今日のオリジナル楽器の演奏家たちから絶大な信頼を寄せられている。
レオンハルトは何十年という演奏活動を通して夥しい数の録音を行っているが、膨大なチェンバロ・ソロの録音から後世に伝えるべきものを選ぶとなると、このディスクは無視できない。
しみじみとした語り口のアリアで始まり、どの変奏曲もレオンハルトならではの優美な節回しや18世紀的なマニールを聴くことができる。
たおやかな詩情に満たされた名演だ。
レオンハルトは若い頃のいわば直線的な造形ではなく、心のゆとりをもって作品に向かっているだけに、細部までニュアンスに満ち、全体としてはある種の普遍性に通じるといってよい広がりをもっている。
適切なアゴーギクとフレージングによって切り開かれてゆく響きの世界は、モダン・ピアノによる演奏とはひと味違う古雅な味わいで魅力的だ。
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コメント一覧
1. Posted by gkrsnama 2009年11月13日 07:32
もう全然読まなくなったんですが、日本の評論は今でもバッハというとリヒター・ヴァルヒャなんでしょうか。あるいは古楽というと、あの「知的なだけで無味乾燥の」ベートベン風にバッハをやるイメージ?
レオンハルトは全然違います。彼のバッハを特徴づけるのは、頻発するテンポルバート。楽譜にないアーティキュレーションという方がいいのかな。それまでカークパトリックのようなメトロノームバッハが幅を利かせていたのですが、完全に打ち破ってしまいました。(昔はバッハには感情がないなんて言われていたんですよ。)
今じゃメトロノームバッハなんんてモダン楽器でしか聞けません。コンクールを聞いているとオーボエの人がレオンハルトリズムをやっていて、びっくりしたことがあります。演奏家からはレオンハルトなしにはすべてなし、くらいに評価されているんでしょうね。
古いモダン学派とおもって敬遠していたバルヒャのバッハですが、こないだ聞いて、さすがメトロノームとは一味もふた味も違うと感心しています。きちんと音楽をやっているんですね。こっちもいいです。
レオンハルトは全然違います。彼のバッハを特徴づけるのは、頻発するテンポルバート。楽譜にないアーティキュレーションという方がいいのかな。それまでカークパトリックのようなメトロノームバッハが幅を利かせていたのですが、完全に打ち破ってしまいました。(昔はバッハには感情がないなんて言われていたんですよ。)
今じゃメトロノームバッハなんんてモダン楽器でしか聞けません。コンクールを聞いているとオーボエの人がレオンハルトリズムをやっていて、びっくりしたことがあります。演奏家からはレオンハルトなしにはすべてなし、くらいに評価されているんでしょうね。
古いモダン学派とおもって敬遠していたバルヒャのバッハですが、こないだ聞いて、さすがメトロノームとは一味もふた味も違うと感心しています。きちんと音楽をやっているんですね。こっちもいいです。
2. Posted by 和田 2009年11月13日 15:43
レオンハルトの演奏の特徴は、きわめて学究的にバッハの音楽とその奏法を研究すると同時に、演奏感覚においてバッハの作品のバロック的な壮麗さを強く前面に押し出すところにあると思います。
どの曲の演奏を聴いても、実に入念に弾き込まれた演奏で、作品の細部までクローズアップされ、全体の構築的なバランスもよく、格調をそなえた音楽性を示していて見事です。
どの曲の演奏を聴いても、実に入念に弾き込まれた演奏で、作品の細部までクローズアップされ、全体の構築的なバランスもよく、格調をそなえた音楽性を示していて見事です。