2008年11月23日
ランドフスカのバッハ
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1956年に82歳の長寿をまっとうしたランドフスカは、ハープシコード音楽の再興者として、音楽史上忘れることのできない人である。
ここに繰り広げられているのはランドフスカ全盛期の音楽だ。
SPからの復刻なので、音は悪いが、戦前に定評のあった演奏である。
ここで使用されているプレイエル製のチェンバロは、歴史チェンバロ全盛の今日の耳からすればまったくもって奇妙なもので、音色も奇異に響く。
またランドフスカの演奏は極めてヴィルトゥオーゾ的でロマンティックなものだが、聴こえてくる躍動感や積極的な表現意欲は意外なほど新鮮だ。
いささか古めかしいスタイルなのでは、という予想に反して3曲のいずれもが時間的な古さを感じさせない。
チェンバロの音楽的生命を復活させた巨匠の、自信にあふれた演奏が展開している。それがなんともいえぬ活気を生み出している。
とりわけ「ゴルトベルク変奏曲」は数多くの優れたディスクの中にあっても見劣りしない内容をもっており、ランドフスカの頂点に位置する演奏といえるだろう。
各変奏があざやかに描きわけられていて、この長大な曲を飽きさせずに聴かせてくれる。
ことに、第25変奏の悲愴美をおびた旋律の歌わせ方など、たいへん感動的だ。
多少ノイズはあるが、バッハを知りつくした人でなければ表出できない、実にコクのある名演奏となっている。
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