2008年11月30日
オイストラフ&ミトロプーロスのショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
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形式と内容のどちらもこの協奏曲は斬新である。
夜想曲、スケルツォ、パッサカリア、ブルレスカの4つの楽章は協奏曲というより交響曲のスタイルに近い。
ヴァイオリンのパートは、至難の技巧が要求されているにもかかわらず、名人芸的な曲になっていないのは、その高度な技巧が、ひたすら内面的なものを表出するために向けられているからにほかならない。
オイストラフは、恐るべき凝縮力でこの曲を演奏している。第1楽章にあたる夜想曲が、オイストラフの求心的な苦悩の声を伝え、指揮のミトロプーロスがそれに悲劇的な陰影を添えている。
夜想曲の抑制した表現がスケルツォで解き放たれ、まるで悪魔の饗宴のような(オイストラフは邪悪で悪魔的と形容した)ところはミトロプーロスの独壇場である。
しかし、なんと暗く美しい音楽なのだろうか。
他にコーガン盤も注目すべき演奏内容。
カップリングのチェロ協奏曲はロストロポーヴィチに捧げられているだけに、全編に自信と誇りのみなぎった演奏である。
ロストロポーヴィチは実に美しく深みのある音色で、表情豊かに弾きあげていて、聴かせる。
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