2008年11月30日

ニコラーエワのバッハ:平均律クラヴィーア曲集


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バッハの演奏には定評のあるニコラーエワが1984年、85年に来日した際のディジタル録音で、1972年の全曲録音から13年ぶりの再録音。

ポリフォニックな音楽を弾かせれば独特なうま味を発揮するニコラーエワの演奏。

ニコラーエワのバッハの音楽、特にポリフォニックなスタイルの音楽では、ことにすぐれた感性を発揮する。

多彩なタッチを十全に駆使し、変化に富んだ音色を作り出す。

それは各曲の解釈に応じて使い分けられるのだが、その解釈は実に入念である。

この女流の手にかかると、どんなフーガも構造が透明にみえてくるといってよいが、ここでもその特技が楽しめ、現代ピアノの特性である抒情性を活用した演奏を聴かせる。

ロマンティックといいたいほどに情緒纏綿たるプレリュードの表情。

それがバッハにふさわしいか否かは見解が分かれるところだろうが、ともあれ、それによって表現の幅が広がったのは事実である。

ニコラーエワの中で新しいバッハの世界が見えてきたことを雄弁に告げるとともに、ピアノという楽器で「平均律」を弾くことの意味を豊かに示した演奏である。

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