2008年12月05日

ディヌ・リパッティの芸術性


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疑いもなく20世紀最高のピアニストのひとりであったディヌ・リパッティは、まだSP盤の時代に生きたことに加え、わずか33年の生涯しか許されなかったため、持っていたレパートリー中、限られた部分しか録音を果たせなかった。

じつに惜しまれることだが、逆から言えば、これだけでもこうして後世に伝わったことを感謝せねばならない。

バッハにおいてはもちろん、ショパンですら余分な感情の露出をいましめ、つねに節度のあるピアノを弾いたリパッティは、モーツァルトでも、なんらの気負いも、また気取りも感じさせない、真摯な演奏を聴かせている。

だが、そこには凡百のピアニストの及ばない何かが、終始、豊かに湛えられている。

リパッティは、たとえばコルトーでもルービンシュタインでも、またホロヴィッツでも、19世紀以来の流儀をもって、それぞれの形で自己主張を行なった名人たちとは、はっきりと一線を画するピアニストであった。

彼が理想とし、かつ見事なやりかたで実現したのは、演奏家としての自己主張ではなく、自分と作曲家および作品とが最も幸せに融合する地点を求め、そこに立って歌うことのすばらしさを聴衆と分かち合う行為であった。

表現者として一歩を控えることによって、なんと深い世界を顕わした人だろうか。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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