2008年12月05日
ライスター&カラヤンのモーツァルト:クラリネット協奏曲(+ピースクのファゴット協奏曲)
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ライスターは、この協奏曲を4回録音しているが、音と表現が最も美しく磨かれ、洗練されているのはこの2回目の録音だろう。
カラヤンが、「自分とベルリン・フィルは今最も良い状態にある」と語った1970年代初めの録音で、ライスター自身も30代半ばという脂ののった時期にあった。
すそれだけに、その演奏は細部まで的確な読みが通っているし、何よりもドイツ伝統のしっとりと落ち着いた響きと安定した技巧によってしなやかに奏でられるデリケートで抒情的な味わいが美しい。
その明快な音と演奏ぶりは、ウラッハに代表されるようなウィーン風の典雅なそれとは趣と異にするが、大変になめらかに麗しく磨かれており、第2楽章をはじめ、ロマンティックな味わいにも不足がない。
カラヤンとベルリン・フィルがそうしたソロを豊麗で、しかも美しく洗練された響きで柔軟に支えており、その精妙で緻密な表現も、このコンビならではの魅力である。
ピースクのファゴット協奏曲は、クラリネット協奏曲と全く同様に、バックのカラヤンとベルリン・フィルが、抑えてはいるが余りに流麗に流れすぎるロマンティックな表現をしているために、バロック的様式さえ含まれるモーツァルトの最も初期の協奏曲の明快で造形的な特質は明らかにされていない。
しかし、愉悦感に満ち溢れたピースクのソロは一聴の価値がある。
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