2008年12月05日

ホロヴィッツ・イン・ロンドン


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ライヴならではのことだが、冒頭この巨匠が聴衆を演奏に引き込む様子が手にとるようで興味深い。

英国国歌から「幻想ポロネーズ」へと流れ込むその瞬間、まさに会場は日常的な集まりの場から、ある特別の場へと変質し、あとにはホロヴィッツが自在に音楽をするパーフェクトな空間が出現する。

その呼吸の見事なこと。ショパンでは音楽にはばたく翼を与え、シューマンでは情感の細やかにすくい上げている。

ことにホロヴィッツは「子供の情景」を何度も録音しているが、この1982年にロンドンで行なったライヴが絶品である。

このホロヴィッツの演奏には、普段、柄の大きい演奏をおこなっているピアニストが故意に背中をまるめてひいたようなところがなく、素直に音楽に反応した好ましさが感じられる。

老爺の、高雅にして深遠、フモールの混在した妙なる語りに耳を傾けているような思いがする。

ホロヴィッツの演奏には、彼の感性の閃きが個性的に表れている。

彼自身のとくに好んだ作品のひとつということで、慈しむような表情もみられるが、それよりも、技巧的な冴えの際立つ端正な美しさが印象深い。

磨き上げられた極上の音で綴られた「子供の情景」というべきか。

ラストは十八番のスクリャービンで、疾風怒濤のごとく締めくくられる。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 13:49コメント(4)トラックバック(0)ホロヴィッツ | シューマン 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by みみ子   2008年12月08日 01:02
私のブログのトラックバックされた記事のことろに貴方のがありましたが、トラックバックって何ですのん!?

あ、後でネットで調べてみればいいんですね♪


1982年ごろといえば、ホロヴィッツが日本に来てメタメタな演奏をしてしまって、その時は
『壊れた骨董品』
などと言われて、私は音色は今でも耳に残っていて感動したので、悲しかったです。。。


でも、その前後のホロヴィッツは諸外国ではきちんと弾いたみたいですね。

あの時の日本での演奏は、何だったんだろう??
2. Posted by 和田   2008年12月08日 12:14
老齢ゆえコンディションの良し悪しがあったんでしょうね。録音で聴く限り、ホロヴィッツは生涯の最後までしっかり弾いていたようです。しかも詩情豊かに。
3. Posted by g-ensis   2010年06月20日 19:55
5 こんにちは。
このVTRの完全版、DVD化されませんね。
1911年製の枯れ切ったニューヨークスタインウェイを使用したCDには収録されていない冒頭のスカルラッティの6つのソナタ、ショパンの2曲、もう耳も目も釘付けです。

4. Posted by 和田   2010年06月20日 21:09
私はホロヴィッツの真骨頂はスクリャービンだと思います。
このロンドン・ライヴの最後に演奏された曲は、ホロヴィッツのヴィルトゥオジティに圧倒され、このピアニストが最高の舞台人であることを実感させてくれます。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ