2008年12月05日

ブレンデル&レヴァインのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集


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1983年6月にライヴ録音で一気に完成されたブレンデルの3度目の全集で、新ベートーヴェン全集に基づく初録音として話題になった。

知性派ピアニストとして知られるブレンデルは、実演だからといってことさら肩怒らせたり、熱くなることはないが、その演奏には、やはり独特の感興ゆたかな表現と爽やかな緊張感がある。

ブレンデルのソロは気力が充実し、全体に抑制がきいていて、ひとつひとつのタッチが明確に、知的な清潔さを伴っており、しかも繊細な感情が息づいている。

演奏全体は細かな起伏をおいて進行するが、造形が明確なので、少しもベトつかない。

しかも、ブレンデルらしくあくまで誠実に読みこんだ演奏は、明快なスケールと確かな構成感をもって、ベートーヴェンの協奏曲の威容と深い内容を巨細に明らかにしている。

しなやかに強く美しい芯をもった音も見事で、細部まで明晰で彫りの深い表現に美しい陰影を添えているし、絶妙なコントロールの行き届いた演奏は立体的で、いかにもパースペクティヴが良い。

解釈も正統的であるという確信に裏づけられた大家の余裕があり、その成熟には瞠目すべきものがある。

バックも充実した力演で応えており、シカゴ交響楽団の充実した響きと卓抜な表現力を明快な指揮で生かしたレヴァインの指揮も、とても爽やかな生命感にとんでおり、この演奏をいっそう手応えの確かなものにしている。

初期の2曲とも非常な名演であるが、特に第1番は何度聴いても絶品と言える出来だ。

特にブレンデルのタッチはゾッとするほど美しいし、軽やかなテンポと小気味のよいリズム、敏感、繊細な進行は驚嘆に値する。

第2番でも第1楽章の天国的な美しさなど忘れられない。

レヴァインの指揮も最高で、ブレンデルに負けないくらい、表情や響きの1つ1つに意味をもたせている。

ブレンデル&レヴァインによる全集の中では第1番の演奏が最も凄く、次いで第3番、第4番が優れている。

第3番は冒頭から激しい決意を示し、楽譜の読みも驚くほど深い。

レヴァインの指揮も、まるで絶好調時のベームのようだ。

第4番も同様で、ブレンデルは自分の思うがままの音楽を、誰に遠慮することなくやりとげている。

レヴァインの意味深い指揮も曲のもつ奥深さをあますところなく表現している。

「皇帝」は極めて思索的、知的な表現であると同時に、音楽には溢れんばかりの生命力が躍動する。

レヴァインとの呼吸もピッタリで、ブレンデルの成熟ぶりを明確に示す名演と言える。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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