2008年12月08日

ブレンデルのモーツァルト: ピアノ協奏曲No20; No24(新盤)


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2008年12月のコンサートをもって引退することを表明したアルフレート・ブレンデルのライヴに1度だけ接したことがあるが、演奏会場で聴いたブレンデルに圧倒された記憶があるわけでも、彼の巨匠性を印象づけられたわけでもない。

万事が誠実、地味である点、損している感じである。

だが、彼の演奏そのものは年とともに熟してきて、今や押しも押されぬ大家である。

ブレンデルは、これら協奏曲を1973年にマリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団と録音していたが、四半世紀ぶりとなるこの演奏には、60代後半という最円熟期にある巨匠の澄みきった境地がすみずみにまで反映しているといってよく、巧まざるその語り口にいっそう磨きがかかってきた。

前回も、純度の高い音と表現を細部までくっきりと行きわたらせて、この短調の協奏曲の深い味わいを充実した響きで再現していたが、ここでの表現は、いっそう緻密である。

しかも1音1音にまで吟味の行き届いた表現を自在に織りなした演奏は、余分な身振りや自己主張で音楽の姿を崩すことなく、あくまで柔軟で懐が深い。

両曲の第2楽章での柔らかく澄明で、ブレンデルならではの含蓄深い表現、第24番終楽章の各変奏の磨き抜かれた音と品格美しい彩りも印象的である。

交響曲全集を完成するなど、モーツァルトの音楽を知悉したマッケラスの、細部まで明快な配慮が無理なく行き届いた見事なサポートも特筆されよう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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