2008年12月09日
カラスの「リゴレット」
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EMIは1953年にカラスと専属契約を結ぶとスカラ座とも契約し、イタリア・オペラの全曲録音を次々と行ったが、スカラ座の音楽監督だったデ・サバタが病気で引退した後、主要なオペラの指揮を任されたのが、当時スカラ座では指揮していなかった巨匠セラフィンだった。
しかし、一連の録音がすべてセラフィンの確かな手腕を証明しているように、この「リゴレット」も名演である。
録音はセラフィンがステッラを起用した「椿姫」とほどんど同時期に行なわれたものだが、ジルダのカラス、マンドヴァ公爵のディ・ステファノ、リゴレットのゴッビという当時のEMIが誇るイタリア・オペラの黄金のトリオともいうべき名歌手たちもベスト・コンディションであり、いずれの役柄にふさわしい最高の声と表現を聴かせる。
コロラトゥーラの技巧とドラマティックな声を兼ね備えたカラスの深い感情表現、ディ・ステファノの輝かしい美声、ゴッビの多彩な声をたくみに使った性格表現のうまさに加え、セラフィンの作品の様式感を的確に把握した指揮もすばらしい。
とりわけ、リゴレットが最愛の娘ジルダを公爵に奪われたことを知って怒りを爆発させる第2幕後半以後のスリリングなドラマの展開と劇的な迫力は、オペラを知りつくしていたセラフィンならではのものだろう。
また3人の主役以外のスカラ座の脇役たち、管弦楽団と合唱団はいつもながら充実していて、オペラ的な雰囲気を豊かにしている。
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